エルヴィス

オースティン・バトラー、トム・ハンクス バズ・ラーマン:監督 2022年

プレスリーについて知っているのは、曲と1970年代のちょっと太った体で袖にフリンジのついたキラキラした衣装でのオーバーアクションで歌う姿だけだったので、どのエピソードも興味深く、面白く観た。

人種差別が今よりも激しかった時代の音楽(カントリー&ウエスタンは白人の音楽でブルースやリズムアンドブルースは黒人の音楽)のあり様も垣間見られる。ラジオから流れるプレスリーの歌で黒人と判断されたり、腰を振るなと言われたりするのだが、若者の心は止められない。

映画では主に、敏腕マネージャーでありつつもプレスリーから金銭を搾取し続けるパーカー大佐との関係に焦点が当たっている。また金銭管理能力のない父も情けない姿で描かれており、マネージャーと歌手(芸能人)やその家族との関係も考えさせられる。日本でも事務に搾取されたり、家族やマネージャーに金銭を持ち逃げされたりした芸能人の話も多いし、やりたい仕事と家族やスタッフを養う為にやらなければならない仕事の狭間で芸能人たちはどうやってバランスを取っているのだろうか。凡人の私などには想像のつかない大きな苦悩があるのだろう、ということも考えさせられる。

2022.07.07@立川シネマ・ツー