正義迴廊

楊偉倫、麥沛東、蘇玉華、周文健、林海峰 何爵天:監督 翁子光:プロデューサー

2013年に起こった息子が父母を殺害し死体を解体した事件「大角咀肢解父母案」を元にした物語。陪審員による裁判の様子をメインにした法廷劇。翁子光がプロデューサーだが、自身が監督した《踏血尋梅》(九龍猟奇殺人事件)に続いてまたも実際に起こった猟奇的殺人事件をモデルにした作品。

死体が発見される所から始まり、被疑者2人の存在が浮かび上がる。1人は父母が失踪したとfbにページまで作り情報を求めていたこの夫婦の次男・張顯宗(楊偉倫)。もう1人は次男の知人の知的障害を持った男・唐文奇(麥沛東)だった。次第にこの次男と父母、そして長男・張顯祖(朱栢謙)との関係、鬱屈した次男の性格が明らかになっていく。また知的障害を持った唐文奇は、姉の庇護の元なんとか無罪を勝ち取ろうとする。検察官は周文健、唐文奇の弁護士に蘇玉華、張顯宗の弁護士に林海峰陪審員の1人に葉蘊儀。血生臭い場面があり、III級指定。

犯人はすでに分かっているが、陪審員がどのように判断して量刑を決めていくかということに重点が置かれている。犯人役の楊偉倫、麥沛東の2人はよくぞ見つけていたという感じではあるし、非常に上手いと思う。楊偉倫は、映画も出ているが舞台の俳優、麥沛東は中英劇団所属、蘇玉華も舞台が多い女優と舞台俳優たちが活躍している。そこに混じった林海峰だけが演技スタイルが違うように思えて違和感を感じた。香港ではかなり高く評価されているのだが、私はそれほどでもなく。

2022.11.25@百老匯電影中心