流水落花

鄭秀文、陸駿光、談善言 賈勝楓:監督 2023年

陳天美(鄭秀文)と何彬(陸駿光)は、なんらかの事情で両親が育てられない子供の里親になっている。実は夫婦は子供を亡くしており、特に天美は子供は育てたいが、再び子供も産んでもまた病気で亡くしてしまうのではという思いに囚われている。

今後、日本で公開されることを期待したいので、詳しく内容は記さないが非常に心を揺さぶられる映画だった。特に天美の思いに胸が締め付けられた。セリフは多くなく、さまざま断片が最後には一つになり物語が完成するというような作りになっているのも、今までの香港映画はあまりない撮り方だと思った。そしてQ&Aでもはっきりしたが、画面に現れるすべてのものに意味があり、言葉(セリフ)ではなく絵(画面)で表現するために意識的に撮っている。その構成力も素晴らしい。1つどうしても監督に確認したいことがあり上映後尋ねると、私の考えていた通りとの事だった。「そこに気づく人は少ない」とお褒めの言葉をいただいた。今回映画祭で観た映画では一番心に残った映画だった。

2023.03.16@ABCホール(大阪アジアン映画祭)